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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第2章 陽泉高校バスケ部マネージャー!


「やること多い……」
 あたしはみんなのの脱いだジャージをたたみながらつぶやいた。
 難しいことは先輩マネージャーがやってくれるけれど、ドリンクづくりに部屋の掃除などの雑用は全部あたしの仕事だ。
 どの服も大きくて、たたみにくい。
「~おなかすいた~」
「あ~はいはい」
 あたしは紫原の口にクッキーを押し込む。
「練習は?」
「今休憩」
 そう言いながらあたしが持ってきたマシュマロをもぐもぐと平らげていく紫原。
 そこを、先輩マネージャーに見られた。
「何してんのそこ! いちゃいちゃしないっ」
「してないです!」
「紫原君は休憩でもさんはちがうんだからっ」
「はいっ」
「がんばってね~」
(ったく誰のせいだか……)
 もう怒る気もしない。
「スコアボードの書き方教えてあげるから」
「ありがとうございます」
 先輩に言われるがままに、バスケ部のマネージャーの仕事を学んでいく。
 後ろでも咀嚼音が聞こえるのは気にしない。
「それにしても仲いいのね紫原君と」
「そんな事ないですっ」
「いいなあ、エース様と」
「ほしければどうぞ」
「まさか、あたしは福井さん狙いだから」
 そうですか。
「それに純粋にバスケ部を応援したいから、イロコイは卒業してからかなー」
「そんなにバスケって面白いですか?」
「ええ。すごく」
 先輩はとても幸せそうに笑った。
 そのうちわかるわ、とあたしに呟いて。
「紫原君のプレイは見た?」
「いえ、まだ」
「なんていうか、やる気はないんだけどあの子が一番強いわよ」
「……やる気なくていいんですか」
「元が強いから、やる気出さなくても勝てちゃうの」
「それってどうなんですか」
「だって、本気でやったらみんなすぐ負けてつまんね~し」
 にゅ、と長い手が後ろから伸びる。
 そしてあたしのポケットをまさぐる。
「紫原!」
「お菓子もうないの?」
「ロッカーにあるから、鍵」
「はあい」
 あたしは自分のロッカーと女子ロッカー室の鍵を渡す。
 紫原はそのまま女子ロッカー室へと消えた。
 けど。
「あああああああ」
「ちょっと!!何ナチュラルに男の子に鍵渡してんのよ!!! 女子ロッカー室よ!?」
「すみません、つい……」
「追いかけて!」
「はいっ」
 あたしは先輩に言われるがままに女子ロッカー室へ走った。
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