第4章 ドキドキIH★
なんで紫原に、あたしのこと好きにならないでって条件出しちゃったんだろう。
今更ながらにすごく公開してる。
あたしは準決勝を前にしてレポートをまとめていた。
次はとうとうキセキがいる洛山とあたる。
キセキのキャプテン、赤司征十郎。
そしてーーたしか紫原が秘密を教えていた唯一のキセキ。
「紫原」
あたしは部室に戻って、紫原を探した。
真っ先にレポートを見せたかったから。
すると彼の姿を目に入れることはできたものの、無言でどこかへ消えてしまった。当然後を追う。
そのうち紫原が携帯をいじりだした。
そして着信。
「もしもし、赤ちん? 来るの? こっちに。ウソでしょ」
そんな声が聞こえた。
「まじ? 明日の放課後駅前で? わかったし、行くし」
紫原の声だけが聞こえる。
気になって仕方がなくて、明日はあたしも尾行することに決めた。
「……約束ぐらい、覚えてるし」
そうつぶやいて紫原は電話を切った。
あたしは彼に気が付かれないようにその場をそっと去った。
レポートは、監督に渡しておいた。
先輩マネージャーもすごくほめてくれてうれしかった。