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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第2章 陽泉高校バスケ部マネージャー!


 でかい。
 第一印象はまずそれだった。
「紫原君と同じクラスのですっ、よろしくお願いします。バスケは初心者です」
 目の前に立つのは、まず主将の岡村先輩。例の2mの一人。後ろに福井先輩、さらに2mを超える劉先輩がたっている。ほかのメンバーも、背が高い。
 思わず福井先輩を見てほっと溜息をついたぐらいに。
「おい、オレを見てため息つくんじゃねぇ」
「……すみません、標準サイズの人がレギュラーにいてほっとして……」
「正直だな……」
「まさかこんなにでかい人だらけだとは」
「紫原と付き合っておいてそれで驚くか?」
 福井さんは不思議そうに言った。
 ちょっとまって、今福井さんなんて言った!?
「つつつつきあってません!」
「そうなのか? さっきから紫原ずっと隣キープしてるし、じっと見つめっし……」
(それは多分お腹が減り始めてるんだと思います!)
「違います、ただのクラスメイトです!」
「そもそも、バスケに興味なさそうなのになんでマネージャー?」
 たしかに、そうですよね!?
 困っていると後ろから荒木監督が現れた。
「あたしの知り合いだからだ。ミーハーなやつにやられるよりは、無難だと思った」
「荒木監督が言うなら、そうなのか……」
 福井先輩が納得したように頷いた。
「よろしくな」
 そう福井先輩が言うとそれそれの部員があたしに握手を求めた。みんな手がでかい。
「よろしくね? 」
「……よろしく」
「やっぱあだ名だし付き合ってんじゃね~の?」
「付き合ってません!」
 福井先輩! 面白そうににやにやするの辞めてください! 
 紫原も服を引っ張んないで! おなか減ったのはわかったから!
 あたしはそっとポケットからチョコレートを取り出し紫原に渡す。
「なんか渡したアル」
 劉先輩がつぶやく。
「紫原君から預かってたおやつです!」
「うん~そ~。邪魔になるから持っててね~って。前持ち歩いてたら怒られたから」
「怪し~アル」
 チロリと舌を出して劉先輩。
「まあまあ……うらやましいのぉ……」
 岡村先輩に至っては泣き出しちゃったし。
 本当に誤解だってば!
「付き合ってませんよっ」
「そ~そ~これからこれから」
「紫原ものっからない」
「え~」
 変な噂が流れるだろうが!
 こうしてあたしは陽泉高校のバスケ部マネージャーになった。
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