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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第3章 合宿へいこう!


 合宿が終わって、あたしたちは陽泉高校へと帰った。
 そのあとは、練習三昧の日々だった。
 どんどん暑くなっていく気温の中で、汗に髪の毛が張り付く紫原を見た。
 室内練習でも、やっぱり蒸し暑い。
 日焼け止めのヘリが早い早い。
「暑くないの?」
「暑いし」
「ヘアバンドあげるよ」
 ちょうど持っていたヘアバンドは、ピンク色のクマさん柄だけど、結構彼には似合っていた。
 めんどくさそうにそれを受け取って、彼はそれを頭につける。
「ありがと」
「うん、これでだいぶ涼しそうになった。暑そうなんだよね、紫原の頭。切らないの?」
 長い髪も似合っているけれど、短い髪も似合うんじゃないかな。基本的に顔が整っていて、きれいな頭の形をしているから。
 紫原は首を横の降って、体育館の床にドカッと座った。
「美容院嫌いなの。しゃべりかけてくんじゃん。めんどくせーしうざいの」
「そうなんだ」
「そんなもんにお金かけるぐらいならお菓子かいて~じゃん」
「紫原らしいね」
 思わずあたしは笑う。
 笑われた紫原はむっとしたように膨れる。
「練習戻るし」
 露骨にだるそうに腰を上げる紫原に、あたしはタオルを渡した。
「がんばってね」
「ん~」
 きっとIHは勝つだろうけど(だって紫原がいるんだもん!)それでも敵高はきっとみんな強いだろうから、彼には頑張ってほしい。
 その時のあたしは、キセキのすごさをいまいち理解していなかったのだった。
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