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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第3章 合宿へいこう!



「そういえばさ、ボール1つ足りなくね?」
 そう福井先輩が言い出したのは、夜だった。
 記憶をたどれば、海辺に1つ転がってたような気がする。
「取りに行ってきます」
 あたしは踵を返しみんなのいるスポーツジムを飛び出した。
「おい、まて、女一人じゃ危ない! 紫原!」
 後ろから、監督の声が聞こえた。
 気が付けば、あたしは海にたどり着いていた。
 ボールが海に浮いてるのが見える。まだ浅い場所なので、すいすいと水の中へ入っていく。
 ボールが動いていくのでシックハックしながら目指していくと急に深くなった。
「!?」
 足がもつれて海の中に落ちる。
 そこに、長い手がのばされた。
「危ないよ~」
「紫原……」
「……あ~」
 急に視線を泳がせて、紫原は自分のジャージを脱ぎだした。
「これ着て」
「え」
「透けてるし」
「えええええ」
 して切れて、真っ赤になりながら紫原のジャージをひったくる。
 ぶかぶかで、すごく動きにくいけど、部員たちに下着を見られるよりは全然いい。
「手つないでね~? 危ないし」
「ん……」
 つかつかと歩く紫原に引っ張られる形であたしは彼を追いかける。
 心なしか彼も顔は赤いかもしれない。
 ……思い上がりかなあ?
 外はもう暗いから、顔色なんてどうにも見えるよね。
 だから、あたしの顔だってきっと赤いの気が付いてないはず。
 ジムにつくと、監督が飛び出してきた。
「……何があった」
「海に落ちました」
 そこは正直に答えるあたし。
 紫原をにらむ監督。
「いや、紫原は助けてくれたんで……」
「そうなのか……なら、いいが。ジムでシャワーを借りてこい」
「ハイ……」
「着替えはあたしが持ってくる。お前は門番としてジムに居ろよ」
 紫原に監督がそう告げる。
「ん~い~よ~」
 ゆるい口調で紫原が答えた。
「その代わり夕飯多めね?」
「ああ」
 監督は早足で部員を連れて出ていった。
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