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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第3章 合宿へいこう!


「おなかは減ってないんでしょ?」
「うん、まあぺっこりはしてない」
「ならいいじゃん」
「む~」
 ぷっくりほっぺたを膨らませる紫原のほほをつつく。
「なにすんの」
「ガキ」
「ガキじゃねーし」
 不満そうに眉毛を釣り上げる紫原を見てさらに笑う。
「お肉なくなるよ?」
「ん~……食べる」
 結局食欲には正直なようで、紫原は部員の中で一番お肉を平らげた。
 まあ、そうだよねえ、一番大きいし。
 監督も何気に結構食べてた。食べてるのに細いってうらやましいなあ……。
 しばらくして。
「マシュマロ!」
「あーはいはい」
 あらかた食事を終えると、紫原が飛んできた。
 あたしは串とハートのマシュマロを彼に渡す。
 そして元の位置に戻ろうとすると袖をつかまれた。
「一緒に食べよ?」
(くっそかわいい……)
 紫原はサクサクと串にマシュマロを指しては、あたしに真っ先に渡した。
「何してんだ?」
「福井先輩」
「福ちんにはあげないよ~?」
「なに? にはあげるのにか? オレ先輩だぞ」
「だけ」
 そう言い切られると、ちょっと特別感。
「あーはいはいバカップル」
「バカッ……」
 あたしは顔を真っ赤にさせる。
 紫原はにこにこしながら焼けたマシュマロを食べている。
「焦げるよ~?」
 紫原はどんな時でもマイペースだ。
 福井先輩もあきれながら、彼を見る。
 せっかくなのであたしのマシュマロを1つ上げた。
「お、サンキュ、あつい……うまいな!」
「~」
「いいでしょ、別に」
「オレとだけのマシュマロだもん……」
 すねている紫原を見て、一瞬やきもちかと思ったけど、そんなわけないよねぇ。
 紫原は別にあたしのこと好きでもないんだから、ないない。
 あったかな焦げたハートは、とろけながら、あたしのお腹の中に納まるのでした。
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