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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第2章 陽泉高校バスケ部マネージャー!


 ぐるぐるぐる。紫原のお腹が鳴る。
 ぐるぐるぐる。あたしの思考回路もまわる。
 意味が分からない。頭がごちゃごちゃしてる。
「」
「…………」
「ってばあ、お菓子ちょうだいよ~」
「あ、うん今すぐ」
「放っておいたら食べちゃうからね? 」
 ふざけて呼び捨てにされた名前さえ、きゅんときた。
 ……なんかもう、頭が痛い。
「それは困るかな……」
「でしょ~? だからお菓子をよこしなさい~」
「はいはい、今日はマシュマロ特大袋買ってきたよ」
「えっやった~!!」
 無邪気にはしゃぐ彼は、かわいい。
 そう、かわいく見えちゃうようになったのだ。 
 これってもしかしなくても。
「こい?」
「えっ」
「何? 顔真っ赤。それ味濃いの? こぃほうがオレ好きだなあ~」
「ああ、うん、食べたことないからわかんない! でも人気なはずだよ! まずくはないはず!」
「そぉ~? 一緒に食べてみる?」
「いいっ」
 早口にあたしは言ってそっぽを向く。
「なんかきょどうふし~ん」
「そんなことないしっ」
「具合悪い?」
「そんないって」
「それとも昨日のこと引きずってる?」
「それは絶対ない!」
「そう?」
 ビッとマシュマロの袋の破れる音がする。
 振り向くとはむっとマシュマロを食べる紫原がいた。
「やっぱ欲しいの? あーん」
「えっ」
 大きな手を伸ばして、あたしの口元にマシュマロが届けられる。
 思わす口をパクパクさせると、紫原が笑う。
「食べるの? 食べないの?」
「食べます」
 ようやく口を開けると、甘い味が口いっぱいに広がった。
「これはこいね!」
 思わずそう言って、赤面。
 わかってはいたけど、やっぱこれって……恋だよねぇ?
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