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お腹が鳴るころに(黒子紫原同級生夢)R15

第2章 陽泉高校バスケ部マネージャー!


「本当か!?」
 真っ先に報告したのはもちろん荒木監督のところ。
 体育教員準備室。彼女は目をかっぴらいて、あたしたちを見た。
「本当本当。ね?」
「うん」
「……そうか、やっぱり一時の気の迷いだったか……」
 そう言って胸をなでおろす荒木監督を見る紫原の目は無表情だった。
 やばい、すごい切ないんだけど。
 笑顔の口元が、ぴくぴく震えている。
「に一目ぼれしちゃってさ~」
「そうか、そうか」
 荒木監督は嬉しそうにほほ笑んだ。
「真面目な交際をするんだぞ」
「もちろんだし」
 じゃあ、とつぶやいて紫原は体育教師準備室から去って行った。それにあたしも続こうとする。
「。あいつをよろしく頼むな」
 そこに荒木監督が声をかける。
「あいつはもろいやつだから……大切にしてやれ。そして大切にしてもらえ」
「はい」
 複雑な心境なまま、紫原を追いかける。
 と。
「こっち来ないで」
 そこには泣きそうな顔をした紫原がいた。
「うん、先行ってるね」
「ごめん」
 気持ちは痛いほどわかるから。
 あたしは、あえて何も言わない。
 そしてそのままお菓子の袋を準備して部室に向かう。そこに福井先輩がやってきた。
「やっぱりお前ら付き合ってたんだな」
「恥ずかしくて……」
 本当は、嘘なんですけどね!
「純情だなあ……」
「お前がからかうんじゃないかと不安だったんじゃろ」
 岡村先輩が突っ込む。
「ゴリラが嫉妬すると思ったんだろ」
「ゴリラじゃないぞ! わしっ」
「誰もお前とは言ってない」
「うらやましいアル」
 そこに劉先輩も入ってくる。
 にぎやかな光景に、思わずため息が出る。
「なにしてんの?」
 そこに、いつも通りのゆるい顔をした紫原がやってきた。
「なんでお前と付き合ってる事黙ってたんだよ!」
「ん~なんとなく?」
 キョトンとした顔をする紫原の目元はほんのり赤い。
 けれど態度がいつも通りだからか、誰もそれに気が付かないでいた。
「はオレのものだから、手を出したらヒネリつぶすよ?」
 こうしてあたしたちははれてバスケ部公認のカップルになった。
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