第2章 陽泉高校バスケ部マネージャー!
「条件?」
「絶対あたしを好きにならないでね」
「わかったし」
「そして、こっそり彼氏を作らせてね? 紹介とかしてよ?」
「もちろん」
紫原はひらひらと手を振る。
正直やりたくはないものの、荒木監督への片思いを知ってなんとなく、味方になってやりたくなったのだ。
きっと、彼の片思いが報われる日はないだろう。
そしてずっと、大量の食糧を必要とする日々が続くのだろう。それはかなり切ない話だ。
でもそれも仕方がない事。
「きっと、高校を卒業すれば終わる恋だから」
そう言うって、紫原は眠たげな眼を一層伏せ目がちにした。
「それまで、付き合ってくれれば、いつかきっとお礼をするし」
「……わかった。手伝う」
「、大好き」
「えっ」
突然の言葉にどきんとする。
「オレたち大親友になれそうだね?」
ふにゃりとした顔で、紫原は笑った。
「……どうだか」
「照れない照れない」
「照れてないっ」
こうしてあたしたちは「付き合ってるふり」をすることになった。