第5章 烏養繋心が語る コートの天使
続いちゃいます
お前らに桃の痛みが想像できるか?
毎日泣きながら痛い膝を引きずって
誰にも何も言わずに、仲間の前では笑って
仲間がいなくなると泣くんだ
バレーがしたい バレーがしたいってな
あいつは1人でいつも、サーブやなんや皆がいなくなった後にするんだ 何故だかわかるか?
皆にはこんな無様な姿を見せられないって言うんだよ
桃の怪我を知った全日本の監督が
夜、1人で練習している桃のところに行ったんだ
もういらないとでも言われると桃は思ったんだろう
でも、桃に来た言葉は違ったんだ
「私と一緒に練習しないか?」
桃は涙を流した
もう、私には道が無いと思っていたのにこの人は私に道を作ってくれるってな
普通の監督ではこんなことできない
だが、この監督は桃の事を本気で全日本に入れようとしているんだ。
それから、桃と監督の秘密の練習が始まった
桃は膝が痛いはずなのに、1度も痛いとも言わず練習についていった
そこで桃はありとあらゆる技術を身につけた
世界にだって桃に敵う奴はいないだろう
それほどの技術を桃は身につけたんだ
だがな、それをよく思わない奴が居たんだ
いつも桃が目立って居たがもう1人スゲかった奴がいた
そいつの名前は
朝霧ミク
明かに桃の方がうまかったが、そいつもなかなかうまくてな
だから、桃に嫉妬したんだ
それからだ、桃があまり笑わなくなったのは
桃は唯一信じていた仲間に裏切られたんだ
だから、最後の大会桃は出なかったんだ
代わりに桃のポジションには朝霧ミクが入った
でも、負けたんだ
当然テレビや観客も桃がいないからって帰ったやつも多かった
しかも、桃がいた時は勝てていたはずのチームに負けたんだ
仲間は呆然としたよ
桃はバレーはまだ好きだよ
でも、チームメイトに裏切られるのが怖いんだ
だから、コートの天使は消えたんだ