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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第9章 神さまの目にも涙



「薺ちゃん……ごめん、
僕……本当にごめんね」

床に膝をついて泣く
泣き虫な神様は、
私が一番愛した人だった。

今頃どこかで怖い顔して
働いているだろう鬼は、
私が一番愛している人だ。

本当はちょっと
気にしていた。

元彼との廃屋の一件で、
鬼灯様が咄嗟に呼んだのが

『紗英……っ!』

カノジョの名前だったこと。

すごくすごく
つらかった。

優しく慈愛に満ちた顔で
花のように笑う白澤様が、

薺(わたし)には
悲しい笑顔しか
見せてくれないこと。

「白澤様、……どうか
顔をあげてください」

いやいやと首を振って
顔を上げようとしない

そんな白澤様の整った
つむじを狙って私は──
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