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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第14章 終幕



「ええええええ?!!」

小高い丘にある
ちいさな墓場に

男女の楽しげな悲鳴が
声高らかに響き渡った。

ここは、現世現代

日出ずる国の片隅の
片隅の、そのまた片隅。

「え、薺さんまで、
何驚いてるんですか」

「そっ……そりゃあ
驚きますよ!だって、私
そんな話聞いてな」

「では今言いました」

「……全く貴方って人は」

地獄の鬼はとある少女を
深く愛し、また、愛されている。

「ええ~お前だけずるいぞ!
そうだ紗英ちゃん僕らもけっ」

「おめでとう薺ちゃん。
……じゃあ、これは私からの
お礼とお祝いのプレゼント」

「ナチュラルに無視!!!」

天国の神獣もまた、
とある少女を深く愛し
彼女に愛されている。

紗英の気を吹き込まれた薺は、

みるみる内に十六歳の
見目へと戻っていった。

「薺」

「はい、……鬼灯様」

「愛してる」





これは、
不思議な不思議な寝物語。

鬼と神獣と
貴女の──

愛のおはなし。






【おしまい】

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