• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第9章 神さまの目にも涙



細くて暗く、そして
狭く苦しい道を進む

息ができない
目も見えない

ここは、どこなのだろう。

時折聞こえる女性の悲鳴は
それを励ます男性の声援は

ああ、なんだか
意識が遠のいてきた。

眠い……
もう、このまま
寝ちゃおうかな。

『先生!赤ちゃんの心拍が!』
『鉗子!早く!』
『がんばれ!もうちょっとだ!』

暗い道の途中で
うずくまっていると、

誰かの手が伸びてきて
突然そこから引っぱり出された。

寒くて、眩しくて
それにすごくお腹が空いてて
誰かに抱き締めて欲しくて

だから思いきり泣いちゃったんだ。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp