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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【団栗ころころ】



既に兆し始めていた
それを見せつけると、
君はトロンとした瞳を返した。

ああ、うん。

いいねさすがは僕の調合。
良い具合に効いてるみたいだ。

「君を……愛してるよ」

耳元でこれ以上にないほど
甘く、優しく、囁いた。

ありとあらゆる君の
正常な判断を、感情を
僕が奪い去るために。

「僕を受け入れてくれるね?」

「……は、い…………」

さあ、最後の仕上げだ。

ありったけの神気を開放して
彼女の瞳を見つめる。覗きこむ。

充分に血液の集まった愛欲を
下生えに隠れた蜜口に当てがって、
直接君の中に僕を注いでいく。

「君は、……っ誰?」

「わ、たし……は……紗英、です」

「……そう。そうだね。紗英だ」

何度も言い聞かせる。
君にも、僕自身にも。
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