第8章 【団栗ころころ】
君は取り込みすぎた。
紗英の思念をね。
齢十六の人間はまだまだ脆く、
僕らの世界じゃ赤子にも満たない。
魂が歪みはじめている君を
元の場所に戻すなんて、
いとも容易いことなんだよ。
「……っ、わたし、帰ります」
「そんなにフラフラの足で?」
いいじゃないか
ゆっくりしていきなよ。
僕が、僕しか見られないように
君をぐちゃぐちゃにしてあげる。
「ん、……うぅ、っ」
お茶に忍ばせておいた
いわゆる興奮剤の作用が
現れたらしい君は、
少し舌をいれただけで
すぐにイイ反応を見せ始める。
鬼に混ざってなんだか
人間の(それも男だ、気に食わない)
臭いがするけど・・・
まあいいか。
「ふ、っ……は、ぁん」
「可愛い声だね。紗英」