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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【団栗ころころ】



「君の魂は紗英の匂いがするね」

唇が触れそうな距離から
小首を傾げて言い聞かせる。

「彼女と同じだ」

「違、っ……私は、」

「同じさ。どちらも
僕の愛した女性だよ」

尚も反論しようとするものだから、

その桜色にキスをして
言葉を封じてやった。

君はビクッと肩を震わせて
それから、ちょっと怒ったように
椅子から立ち上がる。

おお、威勢のいいこと。

まるで誰かさんみたいだね。

「君とあの鬼に何があったか、
そんなの知りたくもないけどさ」

許さないよ。僕は。

「君は紗英だ。僕の愛しい人だ」

どれだけの時が移ろおうとも
それだけは絶対に変わらない。

「薺……こっちにおいで。
ほら、……僕で愛してあげる」
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