第8章 【団栗ころころ】
僕は地獄の小鬼に
頼んで描いてもらった
ある絵を取り出した。
それを見た途端、君が
身体中の筋肉を強張らせる。
ああ、やっぱり。
「知ってるんだね?
…………紗英のこと」
一(イー)
二(アル)
三(サン)
程よくマスカラを施した
可愛らしいまつげが震えた。
まばたきが増えるのは、
図星をつかれた証拠だね。
「鬼灯と会いに行ったの?」
君は答えない。
「ねえ、前世のことは覚えてる?」
君が次第に俯いていく。
カウンターから身を乗り出して
君のほっぺたを鷲掴みにすれば、
怯えた瞳が今にも
泣き出してしまいそうに
「は、く……たく、さま……」
ねえ、もっと僕を見てよ。