第2章 再会を祝して痴話喧嘩
長年抱き続けた疑問が、
ついに解決するのだろうかと
期待を込めて薺は待つ。
たっぷりとした沈黙。
ややあって、決断を下した鬼灯は
「時が来るまで真相は秘密のままに」
うまいことを言って逃げおおせた。
前世のことを生者に
教えてはいけない、
という決まりは存在しない。
しかし、薺には今後の
人生が残っているのだ。
それを思うとやはり
今は言うべきではないと、
鬼灯は判断したのである。
大変悔しくはあるけれど、
鬼灯の考えに便乗して
白澤は饒舌に語った。
「そうそう!デザートは
最後のお楽しみだし、ね」
ウインクまで付け加えているが
言っている事は意味不明である。