第2章 再会を祝して痴話喧嘩
結局、何ひとつとして
夢の真相を教えて貰えなかった
薺は不機嫌に頬を膨らませた。
じゃあ何の為に
鬼灯と白澤は、
自分へ会いに来たのだろう。
しかしこの疑問に関しては
この後すぐに答えが出た。
「取り敢えず貴女には
色々と話したいことが」
薺の手を引いて行こうとする鬼は、
その手に婚姻届を持っている。
「取り敢えず僕と一緒に
お茶でも飲みに行かない?」
反対の手を握って邪魔する神獣だが、
彼も彼で婚姻届を握りしめている。
今日は、彼女の十六回目の誕生日。
現世の法律は律儀に守る
補佐官と漢方医であった。
「あの……私、そろそろ
登校しないと遅刻しちゃう」
些か疲れた様子で言う薺。
彼女の話なんか聞いちゃいない
男達は、十数年振りの再会に
祝杯ではなく唸りを上げた。
【弐ノ章】
再会を祝して痴話喧嘩___終
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鬼灯「目障りな白豚。淫獣。
いい加減紗英さんのことを
諦めたらどうなんですか?」
白澤「うるさい悪鬼!一本角!
お前こそ、潔く身を引いたら
どうなんだよこの他妈的!」
鬼灯「他妈的(くそったれ)?
あなた、今とんでもないこと
言いましたね覚悟しろブッ殺す」
白澤「おぎゃあああ!」
続編開始早々、
めっちゃ目潰しされた。
めっちゃくそ痛かった。
(推定一億歳 / 男性)