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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【団栗ころころ】



「なぜって、あはは」

そんなの決まってるじゃないか。

ほら、あれと同じだよ。
赤い頭巾をかぶった
人間の童話があったろ。

あれの狼と同じさ。

「好きな女の子とお茶
したかっただけだよ」

「う、……そうですか」

困ってる困ってる。
だけど、意地悪は
やめてあげない。

大体この間の電話はなにさ。
神様が怒ると怖いんだぞ。

「僕ん家に呼び出しちゃったから
そんなに警戒してるのかな?」

わざとらしく眉を下げて
聞いてみると、君は一瞬
言葉につまってから

「いえ……、はい、ええと」

煮え切らない返事をする。

まったく不愉快極まりないよ。
全身から鬼灯(あいつ)の
匂いなんかさせちゃってさ。

本当に──
「イライラするなあ」
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