第7章 【パンチヒーロー】後編
元彼以外の男性を
受け入れるのは
これが初めてだった。
知らない。私は、こんな。
「や、ああぁっ……おっき、ぃ」
無理、こんなの入らない。
懇願するような目で
鬼灯様を見てみる。
しかし、彼にとっては
それすら興奮を煽る材料らしい。
「そんな可愛い顔で見上げたって
途中で止めてなんかあげませんよ」
「ひっ、ん……ああんっ」
「今度は絶対離しません。
何があっても……っ絶対」
言葉に合わせて揺さぶられる。
奥に挿入されては
ずるりと抜かれて
侵される。脳が。体が。
もう、
鬼灯様のこと以外
考えられない。
「好き……っすきです、鬼灯様ぁ」
「ちょ、っと……あまり言われると
もっと酷くしたくなるから……っ」
彼が苦しげに下唇を噛む。
覗くのは真っ白な牙。
皺を寄せた眉間の上には
鋭い角が生えている。
ああ、やっぱり鬼なんだ──
快感で痺れた頭で、
今更ながらに
そんなことを思った。