第7章 【パンチヒーロー】後編
気持ちいい。
だって、すごく
あたたかい。
「薺さん……っ」
鬼灯様で満たされて
その声で名前を呼ばれて、
私はなんて幸せなんだろう。
なのにね、何でなのかな。
「あっ……ああっ、鬼灯様!」
「……っ、出しますよ?」
「ん、……きて、っ」
数回の強い痙攣のあと
注がれる白濁とした熱。
私が紗英さんなら、
あなたはもっと
幸せでしたか。
果てて冷めていく体と
一緒に、こころまで
冷たくなる気がした。
「(……代わりでもいい、なんて)」
うそ。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:
ピルルルッ
ピルルルッ
ガチャ
鬼灯)「塵と化せばいいのに」
白澤)「第一声がそれかよ鬼畜か!」
「……もしもし屑よ」
「いちいち一言多いわ!
もういいや……お前、現世に
出張っていつまでなんだよ」
「あ、もう帰ってきてます」
「は?!神様である僕に
仕事押しつけといてお前、」
「ん、鬼灯様……
おはようございます」
「?!!ちょっとオイ!!
いみゃっ、今のまさか薺ちゃ」
ブチッ
ツー……ッ
ツー……ッ
「切りやがったよあほたれ!」
【七ノ章】
パンチヒーロー後編___終