第7章 【パンチヒーロー】後編
「あっ、や、っ……イ、ちゃう」
私の中がよりキツくなったのを
感じて、鬼灯様の指が速くなった。
瞳孔が開いて
視界がぼやける。
「ん、んっ……イク、ああっ!」
早々に達してしまった私を
その腕に抱き留めて、
鬼灯様は深く唇を重ねた。
上がりきった呼吸のせいで
息ができない。眩暈がする。
「ん、んぅ……っん」
恥ずかしげもなく漏れる声が
くぐもって聞こえるのは、
彼のキスに塞がれているせい。
混ざり合うリップ音と
鬼灯様の荒くなった息。
控えめな、それでいて激しい。
切なげに細める視線に
心が引き摺り堕とされる。
「ほ、ずきさま……私、
あなたのことが……っ」
「好き、ですか?
私は愛しています」
私の勝ちですね。
大真面目な顔でそんなことを
言うものだから、なんとなく
可笑しくて笑ってしまった。
「なに笑ってるんですか。
そんな余裕あるんですか?
本番は、……これからですよ」