第7章 【パンチヒーロー】後編
「や、あぁ、ん……っ!」
男らしく骨張った指が
私の中心にできた溝を
縦に、ぬるぬるとなぞる。
彼の髪と同じ匂い
たったそれだけのことが
私を昂ぶらせて、内側から
いやらしい蜜が溢れてくる。
「おや……潤滑剤をつける
必要はありませんでしたね」
下着をそっと横にずらして
直に私に触れた鬼灯様は、
なにともつかぬ液体で濡れた手を
見せつけるようにして差し出した。
自分の痴態を
目の当たりにして、
頬に熱が集まる。
「やだ……っ見、せないで」
「駄目です。目を逸らさないで
ちゃんと見なさいよ。貴女……
私で濡れちゃったんでしょう?」
「……!……っドエス、鬼」
真っ赤になって唸ると、
鬼灯様は満足げに
小首を傾げてみせて
「ええ、──鬼です」
掠れた声で笑った。