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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第7章 【パンチヒーロー】後編



まさか、と言うべきか
やはり、と言うべきか

私は地獄の光景をよく
覚えていたし、実際に
ここへ来たことで前世の記憶は

より濃く鮮明に
思い出されていた。

「既視感でしょうね。恐らくは」

「既視感、ですか……?」

「デジャヴとも言います。
紗英さんでいた頃に、廓で私に
助けられたことがあったでしょう」

その記憶とさっきの廃屋での
一件が、本能的に重なって
無意識に私を呼び出した。

まあ、そんなところでしょうね。

「まさか貴女に降霊術の才が
あるとは思いませんでしたけど」

鬼灯様は熟々と話ながら
慣れた手つきで茶を注ぐ。

熱々の湯気が湯飲みから
立ち上って、懐かしい
(彼特製の激マズイお茶の)
匂いがあたりに広がった。

「(うう……まさか、また
これを飲むことになるなんて)」
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