第2章 再会を祝して痴話喧嘩
例えばハシビロコウのような。
ひどく目付きの悪い男が、
薺を真っ直ぐに見つめて言う。
「ええまあ、確かに現在の
貴女も素敵ではありますよ。
その生意気そうな所とか、
そそられます。服従させたい」
対して沈丁花に似た男。
白澤と名乗った彼が、
薺の手を握って言った。
「この無愛想が言うことは
なーんにも気にしなくて
いいんだよ。僕は、どんな
君だって愛してるからね」
薺は、恐らく黒い方が
鬼灯(ホオズキ)だろうと
大方の予想をつけて、
彼らの告白を華麗にスルーした。
見事なまでのガン無視である。
「えっと……鬼灯さんと、
白澤さんでしたっけ……?
貴方達に聞きたいことが」
「えっ、なになに、
僕でよければ何でも聞いて!」
彼女が皆まで言う前に、
身を乗りだした白澤が
興奮した声を出した。
この神獣、なかなかの
ポジ・ティブ男さんだ。
告白を丸無視されても
毛ほども気にしてない。