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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第6章 【パンチヒーロー】前編



悶々として過ごす
一日は、驚くほどに
あっという間だった。

ロングシフトを終えて
バックヤードに戻り、

制服をハンガーにかける。

鬼灯様とは上がり時間が
一時間違うため、ひとり
退勤時間を打刻した。

「お先に失礼します」

発注作業中だった店長に
短く告げ、店を後にする。

鬼灯様はレジで
接客していたので
会釈しただけだ。

夜の帰路はうすら寒く、
思わず肩と頬が近くなる。

急ぎ足で自宅へと歩みを
進めていた、その時だった。


「よう、薺。遅かったなあ?」


閑静な住宅街の、細い路地。

暗がりから姿を表したのは
私の、──カレシだった。
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