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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第5章 【彼女が見た夢】



私は、私だ。薺は思う。

前世がどうであれ、
私には私の人生がある。

鬼灯や白澤とはまだ
出会ったばかりに過ぎないし、
もちろん恋慕の情はない。

その、はずなのに・・・

胸を蝕むこの感覚は何?

薺は苦悩する。
私は、私でしょう?

心では分かっていた。
でも、頭がそれを
認めようとしない。

魂で惹かれる恋。

紗英の思念に触れたことで
薺にも、はっきりと分かる。

カノジョは白澤を求めている。
未来永劫、彼と結ばれることを。


「私は、私……。私は、」


これからどうするべきなのだろう。

この心は、この体は、
どこにあるべきなのだろう。

薺には分からなかった。
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