• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第2章 再会を祝して痴話喧嘩



薺には霊感なるものがあった。

物心ついた頃から、
周囲の人間には
見えない物が見えた。

それは人間の形だったり
時には妖怪のようなものもいて、
見えざるそれらに薺は困惑した。

いつだったかのお盆に、
夜空を飛ぶ幽霊だって
見たことがある。

幽霊達は墓場でよく見る
茄子や胡瓜に乗っていて、
幼い薺を驚かせたのだった。

だから、彼女には
理解できてしまう。


「僕の名前は白澤(ハクタク)。
近い将来君の旦那さんになる
イケメン漢方医のお兄さんだよ」

「何勝手なこと言ってるんですか。
紗英……ああいや、薺さんは
私と結婚する運命なんですよ」


突然何の前触れもなく
部屋に押しかけてきた
彼らが、少なくとも、

人間ではないということを。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp