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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第2章 再会を祝して痴話喧嘩



彼女が見る夢の終わりは
いつも、決まってこうだ。

明るくて温かい
橙色の光に包まれて
天へと昇っていく。

赤ん坊の泣き声が聞こえる
優しい男女の声が聞こえる

そして最後には、
涙を流す男の声が
聞こえるのだ。


「……はあ」


目を覚ました彼女は、
名を薺(なずな)という。

魂ごと抜け出そうな溜息を吐いて、
薺は濡れた自身の頬を拭いた。

この夢を見ると必ず涙が出る。

どうして……?

立ち上がって洗面台に向かう。
冷たい水に顔を浸し、
腫れた目を冷やした。

薺は、今日、生誕してから
十六回目の誕生日を迎える。
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