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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



懐かしいやり取りに
えも言われぬ幸せと、
胸のくすぐったさを感じつつ

鬼灯は「それにしても」と
切り出して薺の手を握った。

あまりにも自然な流れで
握られてしまったものだから、

薺は抵抗せずに頬を赤くする。

「前世のことを思い出して
よく平気でいられますね。
無理してるんじゃないですか」

鬼灯は薺の手首にそっと
自身の指を触れさせ、
彼女の心拍数を測っていた。

「うーん……複雑ですけど、
不思議と辛くはないです。
鬼灯様と居るの楽しいし」

脈拍から見て、
その言葉に嘘はないらしい。

さっきまで彼女に
どう打ち明けようか
迷っていた自分が、

なんだかものすごく
滑稽に思えてくる。

「楽しい……私と
居るのがですか?」

「はい。あ、ハンバーグは
ビッ◯ボーイがいいです」

「その余計な一言がなきゃ
とても可愛いんですけどね」

「それから鬼灯様の奢りで」

「あまり調子に乗ると
本当に犯しますよ。
いえ、私が出しますが」
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