第4章 鏡ノ塔
やけっぱちで下ネタを連呼する鬼灯。
彼の声音はげに楽しげで、
隣にいる薺もコロコロと
白い喉を見せて笑っている。
しかし、紗英の強い思念は
墓場に取り残されたままなのだ。
いくら薺が平気と言ってくれても、
このままにしておく訳にはいかない。
紗英自身の思念を
成仏させる決意も、
鬼灯にはまだ出来ていなかった。
一難去ってまた一難
はてさてどうなることやら、
とりあえずは腹拵えである。
「さあ着きましたよ」
「鬼灯様は何食べるの?」
「それ、貴女ですって
答えてほしいんですか」
キャラ崩壊甚だしい鬼灯は、
一晩寝て頭が冷えたあと
自分の言動を思い返して
布団からしばらく出てこなかった。
(地獄在住 / E魔大王さん談 )
【四ノ章】
鏡ノ塔___終