• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



「じゃあ、あれですか。
白豚に手酷く捨てられたことも
私が貴女に心底惚れてることも
私がここまで来てまたも振られた
可哀想な独身鬼神ってことも、
全部思い出したんですか」

「……鬼灯様、ヤケを
起こさないでください」

「嫌です。これが
ヤケクソにならずに
いられますかって話ですよ」

まったく貴女は酷い女だ。

最後にそう付け加えて
地獄一の鉄面皮は、
困ったように口元を歪めた。

絶滅危惧種よりも貴重な
鬼灯の拗ねた顔に、薺は
光の速さで写メを撮ろうとする。

しかしそれは久々の
地獄チョップで
遮られてしまった。

「相変わらず馬鹿力……!
変な角生えてる癖に……!」

「相も変わらず減らず口ですね。
しかも今は角生えてませんよ。
まったく可愛らしくないガキめ」

「……そんな可愛くない
子供に恋したくせに」

「ええ、しましたよ。
今すぐそこのホテルに連れ込んで
犯したいくらいには愛してます」

「いやっケダモノ!!!」

「いいえ鬼です」
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp