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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



「ん……あ、れ……ここは」

再び鬼灯の運転する車中で
意識を取り戻した薺は、
寝ぼけた声で問いかける。

信号待ちで窓の外を眺めていた
鬼灯・・・扮する加々知は、

薺の声に反応して
ゆっくりと
彼女の方を見た。

「薺さん……これから、私が、
貴女にお話することなんですが」

そんな言葉で切り出した加々知は
直前で思いとどまって口を噤む。

話していいのだろうか。

自分と紗英と、それから
白澤の間で起きたことを。

相手は普通の人間で
しかもまだ十六歳だ。

話の全てを理解するのだって
難しいだろうし、ましてや
自分ですら混乱している現状を

年端もいかぬ少女に
どう説明すればいいのか。

自分の言葉の続きを待つ薺。

そんな彼女と目が合った瞬間、
加々知は想いもよらぬ言葉を
薺の口から聞くことになる。
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