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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



訳がわからないまま
誰の物とも知らない
お墓にそっと手を合わせる。

チラリと隣を伺い見ると、
そこには静かに目を瞑る


──鬼が居た。


「…………?!」

ビックリした。

いや、すごくビックリした。
どのくらいビックリしたかと言えば
……まあそんな話は置いておいて。

幽霊や妖怪の類は
子供の頃から何度も
見てきたのだけれど。

あまりに突然の出会いだったから
気にしている余裕もなくて、

今まで全然気が付かなかった。

この人は、……鬼灯さんは、
恐らくとても位の高い鬼だ。

ドライブ中に何度も聞いて
やっと教えてもらったのだが、
魔女が作った人間に化ける薬。

あれは妖気まで封じ込めてしまう
ある意味では恐ろしい代物らしい。

擬態が完全に解けた鬼灯さんは、

並の人間なら即気を失うであろう
凄まじく濃い妖気を放っていた。
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