第4章 鏡ノ塔
我慢だ、我慢。
悶々としたドライブが続く。
ここで手を出してしまったら
とんでもない事になるだろう。
ただでさえ裏若きJKを
連れ回すおっさん……いや、
二十代の青年に見えるのだ。
間違いを犯す訳にはいかない。
「ちょっと……薺さん、
着きましたよ。ねえ」
本来であればブラウスを
引きちぎってしまいたい。
けれども、そこをどうにか
本当にスレスレのところで
堪えて優しく肩を揺すった。
「んー、ねむいー……あと10分」
「却下します。起きてください。
ほら、もう車から降りますよ」
「ここどこなんですか……?」
「降りればすぐに分かります」
やっと収まってくれた
下半身の疼きに若干の
後悔をしつつ、車を降りた。
途端に彼女が顔面蒼白になって
やはり事前に説明すべきだったかと、
今更しても遅い後悔をする。