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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



連れ去りと言われても
おかしくないドライブを
始めて、一時間が経った。

目的地はもうすぐそこに
迫っており、辺りには
鬱蒼とした樹々が生い茂っている。

しかし困った。

私は深く息を吐いて、
自分の左側を見やった。

「……警戒してたんじゃないのか」

ぼそりと呟くが、
返ってくるのは
か弱い寝息だけ。

高校の制服に身を包んだ
眠り姫は、しばらく
起きそうにもないらしい。

全くけしからん短さの
スカートから覗く太腿。

寝たことで若干開いてしまった
両脚が、その色香を
より際立てている。

「(勘弁してくれ……)」

最近、というか貴女が
あの世を去ってから
女なんて抱いてないんですから。

血液の集まりだした自身に
今一度大きく息を吐いて、
少し強めにハンドルを握り直した。
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