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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第4章 鏡ノ塔



「あのね……鬼灯さん」

「今は加々知さんです」

「……じゃあ加々知さん。
これは、一体どういう
状況なんでしょうか?」

声のトーンを落として、
引いたところから
問いかける少女。

まあ無理もないのだが、
そんなに警戒されると
余計に虐めたくなってしまう。

「どういうって……私が
運転する車に乗ってますね、
二人きりで。まるでデートだ」

わざとらしく言った
私の横で、少女は
顔を真っ赤にした。

「何言ってるんですか!?
からかわないで下さい!」

「からかってません。本気です」

「〜〜〜!」

現世の年号が昭和の頃に
取った免許が役立つとは、

何事もやってみるべきである。

茹でた蟹のごとく
赤に染まった彼女を尻目に、
私はそんな事を考えていた。
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