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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第3章 【今日も日陰で花は咲く】



数千歩譲って、客として
来店したなら理解しよう。

しかし、鬼灯は明らかに
店の制服と分かるそれを
その身にまとっている。

「(しかもやたら似合う)」

「奇遇ですね」ではなく
「計算通りだ」の方が、
しっくり来ると思う薺であった。

彼女のジトッとした目玉が
鬼灯の背中を見つめている。

ピポーン
「いらっしゃいませ」

ピポーン
「ありがとうございました」

入店音が鳴る店内に、
鬼灯の声が響いた。

卒なくレジ作業をこなし、
接客態度も申し分ない。

お辞儀の角度なんて
美しすぎるくらいだ。

無愛想なのが玉に瑕の
コンビニ店員鬼灯は、

入社一日目にして
“店長お気に入り” の
称号を得たようだった。
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