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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第13章 雑草ノ花



ここへ来るのは
何年振りだろうか。

まだあどけない少女だった
貴女を連れてきたのが、
随分と昔のことに感じる。

数十年振りに見る
紗英の墓前は───

それはそれは見事な
沈丁花と鬼灯で飾られていた。

「なかなか良い趣味ですね。
……淫獣にしてはですけど」

「お前も大概素直じゃないな」

「本当に相変わらずですねぇ」

他愛ない会話に
花を咲かせて、

その幸せに足りない
大事な人を思った刹那
サア、と爽やかな風。


「……紗英、さん?」


薺の声に弾かれたように
白澤も、私も、
鏡ノ塔を振り返った。
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