第13章 雑草ノ花
ああもう、だらしがない。
「紗英~~~……!!!
ぶえ、うっ……うわああん!」
万物を知る神が
恥ずかしげもなく
泣き喚いたりして。
「僕、僕……っ本当に、
本当に!また君と……っ
もう絶対ばなざない!!!」
「……白澤様、苦しいです」
なんとも幸せそうに言う
紗英さんの身体(主に腰)に
巻きついて離れない白澤が、
涙やら何やらで
非常に汚らしい顔で
私の名を呼んだ。
「鬼灯……その、ええと」
「礼なんかいりませんよ。
しろぶ……、白澤さん」
「!」
悔しいなんて感情は
もう壱ミリもない。
だって───
「あ、私、薺さんと結婚します」
【最終章】
雑草ノ花___了