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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第12章 愛するための勇気



ひえっひえっ、と
黄色い歯を覗かせる

その恐ろしい見た目に
薺は言葉も表情も
すべて失っていた。

彼女の隣にいる仏頂面は、

……涼しげな顔で
澄ましてやがる。

まあ、予想通り。

「お前……このアタシに、何か
頼みごとをしようってんだねェ」

独特の訛りで喋る
それは、まず真っ直ぐ
僕を見つめて言った。

腐っても神、か

僕が自分と同類だってことに
こいつは気付いているらしい。

「ああ、そうさ。お前に
頼みがあってここへ来た」

負けじと濁った瞳を
睨み返して言葉を紡ぐ。

全身が心臓になったみたいに
震えて、指先が冷たくなる。

「魂の、」

思わず声が詰まる。



「──分割だ」



自分の声が、やけに
はっきりと聞こえた。

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