• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第12章 愛するための勇気



川の畔にひっそりと建つ
小さな小さな小屋

朽ちかけた扉を
開けるとそこは、

ひどく穢れた臭いがした。

地獄や現世で嗅ぐ
それなんかとは
比べものにならないほど

邪で薄汚くて醜い。

人間の擬態をどうにか
保っているから
耐えられるけど、

本来の姿だったら
あまりの醜悪な臭いに
気を失ってしまうだろう。



「おや……これは、これは。
また随分と……業の深い奴等が
やってきたもんだねェ……?」



腐った肉の集合体を
思わせる、それ。

老婆なのか
化け物なのか

性別も、種族も
何とも分からない姿に
身を堕としたそれは、

ゆっくりと上唇を
捲りあげて笑った。

/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp