第11章 終わりのはじまり
「そそそそそうだよ。
だだだ大丈夫、僕だって
いるんだしねっ……!!」
無理しなくていいのに。
生まれたての仔牛レベルに
ガクブルする白澤様は、
「こ、これは武者震いだ!!」
だから無理しなくていいって。
ちょっと頼りない神獣様は
すっかり怯えてしまったらしく、
うっかり出てしまった
自分の尻尾をぎゅ、と
抱き締めて半ベソをかいていた。
ふわふわもっふもふの
その尻尾を見た
鬼灯様の両手が
物欲しげにそわそわしてたのを
私は決して、決して見逃さない。
「(そんなに触りたいなら
触ればいいのに……天邪鬼)」