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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第11章 終わりのはじまり



ガコ、と音を立てて
船が揺れたのはそれから
すぐのことだった。

「……着いたようですね」

言葉とともに立ち上がる
鬼灯様は、私を抱く腕に
いっそう力を篭める。

「よし……行こう」

覚悟を決めた白澤様は
毅然とした声音で言って、
眼前の光景を見つめた。

鼻水でてるけど。

「薺」

苔むす岸辺に降りようと
船の淵に足をかけると、

鬼灯様の声で
名を呼ばれた。


「おいで」


差し出された手を握って
指をしっかり絡ませる。

二度と離れてしまわないように
この温もりを失わないように──








.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.

「あ、あの……えっと
僕も、手繋いでいい?」

「……チッ、ほらよ」

「鬼灯(おまえ)じゃねえよ!!!」




【十壱ノ章】
終わりのはじまり___終
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