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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第10章 花割烹狐御前



と、まあ冗談めかしたが

鬼灯の旦那はどうやら
すべてお見通しらしい。

わしの回りくどい
「そばにいたい」を
見事に一刀両断して

そりゃあもう恐ろしい
能面ヅラでこっちを
睨んでいらっしゃる。

そんな怖い顔せんでも、

あなたからこの子を
奪えるなんざ
端から思うとりませんて。

これでも狐の端くれじゃ
そんくらいの分別はつく。

ただ──


「ただ、もう二度と
この子にこんな悲しい
顔はさせんでください」


ぬおおおい!
わしゃ言うに事欠いて
何を血迷っとるんじゃ?!

なんの事情も知らんくせに
なんつー偉そうなことを!

ああだめだこれは詰んだ。

詰んだというか死んだ
確実に滅される
骨も残さずに消

「すみませんでした」

…………え?
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