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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第10章 花割烹狐御前



それはゾワリとやってきた。

ああ、なるほどな──
白澤の兄さんもつくづく
因果な御人だねェ。

ビリビリと全身の毛が
弥立つほどの霊気と殺気

こんなもんを出せる人は
あの方しか居るめェよ。

「兄さん……アンタがどんな
お痛したのかは知りやせんがね、
うん……安らかにお眠りくだせェ」

合掌。その直後。






ドガシャーンッ!
「死にさらせ淫乱爺!!!」







ふっとんだのは金棒
……と、中国妖怪の長
ついでに金屏風が少々

鬼灯の旦那、あなたみたいな
お偉いさんにゃ到底
分からんでしょうがね

……その屏風一枚でわしゃ
一生暮らしていけるんですぜ。

「やれやれ……昔と
なんも変わらんのう」

そう言って肩を
すくめてみせると、

隣にいたお前さんが笑って
ポッと頬の毛が逆立った。

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