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淡い恋心

第16章 強き王・バリー【バリー/N】



バリーは下から見上げて来るユウキに近付き、自分の唇を彼女に触れさせる。
最初はチュッチュッと啄む様な軽い口付けをし次第に深い物に変わり、歯列をなぞって舌を進入させる。

『んぅ……ぁっ……ふっ……』

最初抱いた時は逃げていた小さい舌は、今は積極的に絡めて来ようとする。
彼女は口にしないものの、寂しい思いをさせて居たのだと分かると、バリーは優しくユウキの頭を撫でる。

彼の優しさにユウキの涙腺が緩んでしまい、バリーの背中に腕を回して抱き締めながらポロポロ泣いてしまう。

「……ん……ユウキ」

『ごめんなさっ……泣くつもりなかったのに、嬉しくてッ』

「ふっ……今日はずっと抱いてやる、オレの腕の中でいくらでも泣け」

『うん、いっぱい愛して?離れていた分も……』

その日一日は、ずっと二人で過ごした。
バリーは力強いけど私を抱いてくれる時はとても優しい。
前より逞しくなったけど、それだけは変わらず居てくれる。

いや、以前より愛されている実感が持てた。
私はバリーの傍に居て良いんだと、貴方と愛し合えるんだと言われている見たいで、とても泣きたくなる程幸せな時間を過ごせた。

私はどんな貴方でも、愛し受け入れます。












それから暫くして、ナゾナゾ博士と言う人から一緒にファウードを止めて欲しいと、ユウキとバリーに依頼が来た。
ブラゴが海でファウードを転ばせ、その隙にバリーとグスタフが体内に入って行く。

「バリー、先に行っちゃったけど……俺達はどうするんだ?」

『私達もバリーが開けた穴から、呪文で入って行くのよ!私の脚力と瞬発力で!』

「はぁ!?ヘリからあの魔物まで跳ぶのか?……無茶だろ!」

『私ならこの距離を跳ぶ事が出来るわよ!』

ユウキの技は脚力での物理攻撃。
威力はバリーに劣るが、スピードなら彼にだって負けて居ない。

バリーがファウード内に侵入したのを見ると、ユウキは背中に自分の本の持ち主を乗せ、呪文の力で一気にヘリからファウードの首目掛けて突っ込んで行く。

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