第16章 強き王・バリー【バリー/N】
バリーと離れてから、ユウキ達は徐々に力を付けて言った。
前は魔物の方から戦いを挑まれたが、今は自分から積極的に探して戦っている。
そして数ヵ月が経ち、ユウキ達はバリーとグスタフに再会する事になる。
「ば、バリー!?何だよ、その傷っ」
「竜族の神童、エルザドルと戦ったからな」
「竜族?……ユウキ、あれ怖くないのか?」
久し振りに会ったバリーは、驚愕してしまう程の変貌を遂げていた。
躰中傷だらけで、自慢の角も一本失う程凄まじい戦いをしたのだと、ユウキ達にも一目瞭然で理解出来た。
『素敵っ……』
「はぁ!?」
ユウキの本の持ち主はバリーのオーラに恐怖を覚えるが、隣に立つ彼女を見ると自分の火照る両頬を押さえながら、バリーに見惚れて居たのだ。
そしてユウキはバリーに怯むどころか、自分から近付いて彼をギュっと抱き締めたのだ。
『足りないもの、見付かったんでしょ?』
「あぁ、やっと自分に足りないものが分かった……ユウキ、今のオレはお前にどう映っている?」
『……っ……惚れ直しちゃった、バリー素敵ぃ~!』
「えぇー!……マジ!?」
「はは、ユウキは度胸があるな……久し振りに会ったんだ、二人にしてやろう」
「あぁ」
ユウキはバリーの問い掛けに迷いなく本心を告げ、積極的に彼の唇にキスをする。
グスタフの計らいでユウキとバリーは二人っきりになり、逞しい両腕に抱き上げられてベッドへと移動する。
ユウキはベッドの上に組み敷かれ、自分の顔の横に両手を付いて見下ろして来るバリーにそっと両手を伸ばす。
彼女の両手はバリーの両頬を包み込む様に触れ、顔の傷を親指の腹で優しく撫でる。
『素敵だけど、あまり無茶しちゃダメよ?』
「無茶しねぇと勝てねぇ奴も居る……魔物の数も大分減って来てるからな」
『ん、そうね……だったらこれからは私も一緒に居る、バリーが無茶しない様に』
「ふっ、勝手にしろよ……毎日ヤっても良いならな」
『……っ……して、バリ~』
腕の中のユウキはバリーのする事なす事に拒む気はないらしく、「毎日ヤる」と言う言葉に歓迎されてしまう。
軽い冗談だったのだが、(まあ、良いか)とバリーはユウキに優しい笑みを見せて愛し合った。