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淡い恋心

第16章 強き王・バリー【バリー/N】



「何だ、ユウキ……貴様も来たのか?」

『うん、邪魔はしないからこの戦い見てても良い?……バリーも強くなったんでしょ?一度は見たい』

「フン、見て置いても……貴様ではオレには勝てねぇよ」

『私はバリーと戦う気はないって言ってるじゃない!』

「オレを王にする為に戦ってるって言ったな、オレには弱い奴の戯言にしか聞こえねぇよ!」

ガッシュペアが来る前に、先に廃工場へとやって来たユウキペアとバリーペア。
彼と話したいと言い出したユウキだが、バリーは聞く耳を持たず彼女を受け入れ様としない。
それどころか言葉を失う程酷く傷付けてしまう。

「ユウキが弱い?……あんたの強さがどれ程か知らないが、強いのは見れば分かる……だがこいつを舐めるな!こいつの気持ちをあんたが無駄にするなよ!」

「あ゛ァ?……あんまオレをイラ付かせんじゃねぇよ、そいつの気持ち?……ハッ、この戦いじゃ邪魔になるだけだ」

『もう良いから、私達は離れて見てようよ』

「ユウキっ……けど」

『私がバリーにしてあげられる事なんて、たかが知れてるんだよ……彼の気持ちは良く分かったからもう良いよ』

ユウキは自分の本の持ち主の腕を掴んで、首を横に振ると諦めた様に暗い顔を見せる。
バリーなりの考えなのだろう。

今は戦いに勝って王になる事しか考えていない。
そして強い敵と戦う事しか考えていない。

彼の中に私は居ないのだと思い知らされた。
ならこの戦いを見届けた後、この世界を去ろう。
これ以上は、私の我儘を押し付けてるだけになってしまうもの。






ユウキペアは戦いが良く見えるであろう、高い場所へと登ると丁度その頃にガッシュペアも現れる。
ガッシュもパートナーの清麿も、バリー達相手に怯まず堂々としている。

「清麿、あの二階の部屋に人がいるのだ」

「あぁ、何としても助け出すぞ」

バリーの強力な技に対しても、ガッシュ達は負けじと強力な技を打ち返す。
バリーと戦いながらも他の事を考えていた二人は、二階にいる人間を助け出していた。

『戦いの最中に……』

「余裕がある訳じゃないだろ、何やってんだ?彼奴等」

ガッシュ達の攻撃はバリーに勝っている訳でもないので、他人を助けている余裕はない筈だ。

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